

ダイヤロン株式会社
本社/〒915-0052 福井県越前市矢放町13-8-6
東京営業所/〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町11-7
SELカタログ掲載の人工畳でお馴染みのダイヤロン(株)の東京営業所に、同社の創設者である藤井社長を訪ねました。数ある人工畳メーカーの中でも、ダイヤロンの畳は、遠赤外線暖房畳「ひだまり」、耐水畳「すいれん」、畳のタイルカーペット「ターテック」などなど、他社では決して真似のできないユニークな逸品揃いです。
●日本の伝統文化、イ草畳の需要の激減
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福井県にあった私の生家は一族で代々続いた畳屋で、私が生まれた当時〝藤井〟という屋号の畳屋が親戚関係だけで近所に6軒もありました。幼少の頃から畳職人の大変な労働を見て育った私は、畳屋だけは継ぎたくないなあ、などと思ったものです。やがて大学を卒業した私は、弟に家業を任せ、金融関係の仕事に携わるようになりました。
ところでイ草の畳というのは従来の日本家屋には欠かせないものだったのですが、近年になって需要が激減。20年前には年間1億畳の需要があったのが、現在ではなんと2千万畳を切るほどになっています。こうした畳需要の衰退は、ダニの問題やフローリングの普及によるものだと一般に言われていますが、原因はそれだけではありません。イ草栽培の海外依存による品質の低下、機械化の普及による質から量への転化、そしてこうして作られた劣悪な畳からのユーザー離れ。さらに日本人の生活様式の多様化に伴い、これまでにはなかった機能性や意匠性が床材に求められるようになってきたことなどがあげられます。
そうした苦境の中、私の実家の家業は、平成6年に(有)ふじ井タタミという法人を設立し、裏面をカーペットとしたリバーシブル畳のような新製品の開発や、人工畳の化学メーカーとの共同開発などに携わるようになりました。そんな業界の実態を知った私は「このままでは日本の伝統文化である畳がこの世からなくなってしまう」と思い、20年近く勤めた金融業からの脱サラを決意し、結局は畳屋家業を、畳メーカーとして引き継ぐことになります。 |
洗い場にも浴槽内にも耐水タタミを敷いた浴場
タタミのタイルカーペット「ターテック」のコーディネートプラン
数々のオリジナル新タタミのサンプル |
●人工畳の新しい可能性を求めて
私にとって畳とは「日本古来の住空間での世界に誇る発明品であり、日本の精神をも支えてきた〝座る〟という文化の源泉である」という強い思いがありました。そして畳の衰退を痛感した私は「なんとか畳の欠点を改良し、新機能を追及し、クリーンで美しいダニ、カビの心配のない新畳はできないものか」と考え、新製品開発へ乗り出すことになります。
しかし古く細っていく畳業界において、品質を問うのは困難でした。というのは従来の畳は複数の原料によって成り立っており、製造過程は畳表、芯材、糸といったそれぞれの原料を製造するメーカーに分担されています。つまり畳個体全体を造るメーカーが存在しておらず、総合的な品質管理ができていない状況だったわけです。
これを逸脱した新しい企業が必要だと考えた私は、平成8年に(有)オーウインを設立し、新畳の開発に本格的に取り組むことになります。新畳だとか人工畳と呼ばれるものは以前からあったのですが、それらはいかにも〝ビニール〟といった感じのもので、用途としてはせいぜい柔道場用途の耐久性を補った程度のものであり、天然イ草の風合いとは程遠く、とても畳としての価値を認めてもらえるようなものではありませんでした。新会社を設立した私は、様々なメーカーと一緒になって、新機能を備えなおかつイ草に負けない風合いがある畳の開発の試行錯誤を繰り返しました。そして行き着いたのは、三菱化学の協力を得て開発した「ダイヤロン畳」でした。平成10年1月、(有)オーウインは三菱化学のブランドである「ダイヤロン畳」の総発売元となります。
●ダイヤロン(株)が開発し た新畳
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平成10年11月、販売会社であった(有)オーウインは、現在のダイヤロン(株)と社名を変更し、新生一貫体制のメーカーとして再スタートします。今度は当社が新畳の企画をし、複数メーカーに独自の原料の依頼をし、そして畳を完成させるという新しい製造プロセスです。こうして私が目指していた〝畳個体全体を作るメーカー〟が実現しました。そうして生まれた製品群に、遠赤外線による暖房畳「ひだまり」、浴室でも使用可能で防カビ機能を備えた耐水畳「すいれん」、タイルカーペットのように様々な現場用途に簡易施工で適用できる「ターテック」などがあります。
これらは何度にも渡る試行錯誤と改良を繰り返して今に至っており、その結果、従来の〝和室の床材としての畳〟の常識を大きく飛び越え、新しい需要先である旅館、温泉、老健施設、幼稚園・保育園、オフィスといった現場に受け入れられ、もちろん住宅にも好評を得ています。現在、当社の新畳の原料の製造元には、畳表ではチッソ開発(株)、芯材では三菱化学と三菱ガス化学の系列である(株)JSPなどがあり、いずれも当社の設計仕様に基づいた独自の原料を提供して頂いています。 |
ターテック仕様の浴場の脱衣室 |
人工畳の他社メーカーの多くが、単に素材だけの機能性を訴求するにとどまっている中で、当社はこうした複数メーカーの協力の元に、採寸から現場納品までの工程に携わり、現場毎の細やかな需要に適合した、複合的な幅広い機能性、デザインの製品の供給が可能です。今後も日本の伝統文化である畳を継承すべく、新しい価値を加えた優良な製品造りに努めて行きたいと思います。